以前、こんな事件の報道がありました。
生後2ヶ月の赤ん坊の口に血液を…赤ん坊は、血液が混じったものを20回以上嘔吐。検査しても赤ん坊に異常はなし。医師が不審に思い虐待が発覚。その母親が逮捕された。母親は代理ミュンヒハウゼン症候群の可能性があるそうです。
代理ミュンヒハウゼン症候群とは…子どもをわざと病気にして献身的に看病することで自分に関心を集め「熱心な親」と周囲の人から思われようとする精神疾患で子どもに対する児童虐待の特殊型。自分の心の安定をはかる行為だとされています。献身的な自分の様子をSNSにアップして「いいね」や同情などを求める傾向もあります。
病名の由来は童話「ほら吹きミュンヒハウゼン男爵」報道以外のテレビでも取り上げられたこともあるので、名前を聞いたことがある方は、結構いらっしゃるかもしれませんね。日本では87%の確率で、子どもを死に至らしめる可能性があるとても怖いものだそうです。犯行は母親によることがほとんどで、被害に合うのは大半が乳幼児。
「病院を舞台にした虐待」とも言われています。
検査や治療が必要になるよう、虚偽の申告や症状の捏造をする中でエスカレートすることもあり、致死的な手段もいとわなくなる危険もあるとされています。少し昔の話になりますが…
子どもの点滴に水か消毒薬を混入させ、そのお子さんは死亡が確認された事件があったと記憶しています。
何故、こんな悲劇が起きてしまうのか…80年代から発見され始めた代理ミュンヒハウゼン症候群。手口が巧妙で病院を転々とすることが多いため、非常に見つけにくい。検査や治療という虐待だなんて…普通ではやはり考え辛い…
「おおきなあざがいつもある」などと違い、早期の介入が必要ではあるが、確定するのが難しいとされているこの虐待、代理ミュンヒハウゼン症候群。
前橋赤十字病院の・溝口史剛医師は、当時の取材で「この病態事態を理解するのが、なかなか想定しづらいものだからかなり派手な状態になって初めて報告されたり、話題になったりする。だいぶ実は隠れているというふうにはされている」と仰っていました。ほんとに…心が痛みます…
被害にあう、お子様の安全の確保と同時に、母親の心のケアを…子どもだけを救っても、虐待死はなくなりません。親を救ってこそ、虐待死を少なくできるのです…