新しい結婚の形としてアップした「最近増えた別居婚や週末婚」に続くお話です。
↑記事では、お互いの合意のもと、夫婦円満に向けた別居でした。
今回は、夫婦仲が悪くなった後の「別居」についてです。
離婚を前提に「少し距離を取って冷静に考える…」と別居を考える方もいらっしゃいます。
離婚が前提で覚悟があれば問題ないのですが、「困らせてやりたい」「頭を冷やしてもらうため」の別居はNGです。何故なら「離婚の可能性が非常に高くなる」からです。例えば…夫の浮気が発覚した際、夫婦喧嘩の延長や一時的な気分で行動するというパターンなどは危険です。こんな時こそ冷静にならなければいけません。
もちろん全ての夫婦が離婚に至るわけではありません。
が…厚生労働省の調査よると、別居してから1年後に離婚に至る夫婦は82.5%だったそうです。
特に多いのが30代前半の夫婦。次いで30代後半、20代後半と続きます。
一度別居をしてしまうと、戻るきっかけやタイミングがつかみにくくなります。また、「お灸をすえるつもり」が…実は夫側は、「逆に羽を伸ばしていた」という可能性もゼロではありません。
もしも、本当に離婚を望んでいないのであれば、自分の望んでいない方に進みかねないのです。
前回の記事にも少し書きましたが、民法第752条には同居義務や扶助義務があります。ただし、「離婚を前提とした」別居ならOK。相手は反対しているのに、一方的に出ていくとなると同居義務違反として有責者にされる(悪意の遺棄)可能性もあるので、そのあたりは少し注意が必要です。浮気の証拠を掴んでおらず、「悪意の遺棄」とされてしまった場合、逆に相手から慰謝料を請求される可能性も出てくるのです。(相場は約50万円~300万円のようです)
そして、どれぐらいの方がちゃんと申告しているかはわかりませんが…厳密には住居が変わると、基本的には14日以内に住民票の住所変更手続きをする必要があります。こちらは法律上の義務なので、正当な理由がない場合は変更手続きをしなければ、5万円以下の罰則という可能性があります。
勢いで「別居」を始めてしまうのは、とてもリスクが大きいことですね。