ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児に多く起こる感染性胃腸炎のひとつで、最も重症化しやすい胃腸炎・乳幼児期の胃腸炎では最大級と言われています
インフルエンザ・突発性発疹に次ぐ、小児の脳炎・脳症の原因という報告もあるぐらいです。
そもそも感染性胃腸炎はウイルスによるものと細菌によるものに分けられ、ウイルスの場合は、このロタウイルスとノロウイルスがあります。
日本では毎年、冬の前半にノロ、後半から春にかけて ロタが流行するとされ、季節外れの流行もあります。ちなみに、ロタウイルスのロタは、ラテン語で「車輪」を意味するようで、これは電子顕微鏡で見ると、ウイルスが車輪のような形をしてるからとのこと。
<その症状は>
・突然の激しい嘔吐から始まることが多い。
・1日に何度も白っぽい お米のとぎ汁のような下痢をする
・熱が出ることがある
・もうろうとする
・腹痛
・食欲不振
合併症には、脱水・痙攣・腎不全・脳炎・脳症。
水分を与えているつもりでも、ひどい下痢や嘔吐によって水分補給が間に合わなかったり、赤ちゃんが口から何も受け付けなくなったりしてしまうようで、こうなると急激に脱水症状に陥りいります。
通常このロタウイルスに感染すると、症状が治まるまでは7日間程度必要とされるようです。
<感染から回復までは?>
感染(1~2日)
①ロタウイルスが小腸に入って感染
②ウイルスが増殖し、小腸の細胞を壊す
③糖質・水分・ミネラル(ナトリウム・カリウムなど)の吸収が悪くなる
発症(4~7日)
①嘔吐・下痢・発熱
②免疫機能により、ウイルス感染した細胞が壊される
③ウイルスに感染していない細胞が、新しい細胞になっていく
今のところ、ロタウイルス自体に効く薬はありません。そのため、ロタウイルス胃腸炎にかかったら、こまめな水分補給で脱水を防ぎ、自然に治っていくのを待つしかないのです。
ちなみに、脱水の兆候には…
①涙液の減少・消失
②口内&舌の乾燥
③ぐったりしている
④3時間以上排尿が無い
⑤泉門・眼・頬・腹部の陥没
⑦ぐずる
⑧つまんだ皮膚が元に戻りにくい などが挙げられます。
そして、このロタウイルスは感染力が強いことも特徴です。衛生状態に関係なく環境に強いため、条件が合えば約10日間ほど生きています。石鹸や消毒用アルコールにも強く、哺乳瓶用の消毒液(塩素系漂白剤)でしっかり消毒しないと取り除けないほど。
更には、胃腸炎の症状がおさまった後も、約1週間は、何兆個ものウイルスが便内に排出されているので要注意です。ロタウイルス胃腸炎は、世界中のほぼ全員が5歳までに1度は経験すると言われ、日本ではロタで入院する小児の3割が0歳児、4割が1歳児だそうです。ロタウイルスワクチンも定期接種の仲間入りをしたので、しっかり接種していきましょう。
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