今や国民病と言われる花粉症。中でも今日取り上げるのはスギ花粉です。
その治療法には、薬物療法とアレルゲン免疫療法があります。薬物療法は、ヒスタミン(症状を起こす物質)の働きや炎症を一時的に抑えるもの。アレルゲン免疫療法は、体をアレルゲンに慣らしていき、根本的な体質改善を目指すもの。服用することで、毎年の花粉症の症状が和らぐ、または無くなることが期待されています。(注射バージョンもあります)
シダキュア
スギ花粉を原料とするエキスから作られたアレルゲン免疫療法。少量から体に取り入れていくことによって、スギ花粉のアレルギー症状を和らげます。
最初は、2,000JAU錠。2週目以降は5,000JAU錠に。初めての服用は、医師のもと行われ、30分ほど観察が必要。2日目からは自宅服用となります。
効果
・くしゃみ・鼻水・鼻づまりの改善
・アレルギー治療薬を減らせる
・目のかゆみの軽減など…
ポイント
・舌の下に薬を置いたら、1分間は保持(その間に溶けていく)
・服用後5分間は、うがいしない・何も飲食しない
・アレルギー反応に素早く気付く為、日中家族の前での服用を推奨
・服用前後2時間は激しい運動・入浴は避ける。
でもこれね…実は結構子どもには難しいポイントでして…
学校から帰ってきて、習い事に行こうものなら服用する時間が無い…それも運動系の習い事なら、なおさらです。帰ってきて服用しても、入浴まで2時間って…小さいお子様ほど、なかなかタイミングが難しい推奨となっています。(血行が促進されて、薬の成分の吸収が進むことよる副作用を避けるため)
「そんなん、無理やぁぁん…」これが私の最初の印象でした。
でも詳しくお話を伺うと、慣れてくると服用前後30分ぐらいで大丈夫とのこと。わが子は1週間ぐらいしてからは、親の管理のもと、あまり前後設定の時間を気にせず服用させています。時期的にもシャワーを好むようになってきたので、お風呂時間もそこまで気にしなくてもOKかもですね。
副作用の症状(飲んだ後30分・飲み始めの頃・スギ花粉の時期が特に注意)
・体や顔がかゆい
・体や顔にポツポツができる
・声がでない
・喉や耳・口の中がかゆい
・口の中がはれる・ヒリヒリなど…
・不快感
・頭痛
割合は少ないですが、アナフィラキシーの記載もあります。(生命にかかわるような重篤な副作用は今のところ報告されていません)蕁麻疹・クラクラする・気持ち悪い…呼吸音がヒューヒュー・ゼーゼーする・チアノーゼ・意識混濁などがあれば注意が必要。
現在の対象年齢は、5歳以上からとなっています。とは言え、舌の下に一分間溶けていく薬を留めないといけないので、吐き出してしまうお子様や、すぐに飲み込んでしまうタイプのお子様だと、5歳から始めるのは、難しいかもしれませんね。
また、服用期間が長く3年~5年飲み続ける必要があります。そしてお薬の処方のために、定期的な受診が必要です。(2ヵ月に1回 初回は2週間に1回)
※このシダキュアは、スギ花粉が飛散していない5月中旬頃から12月末まで開始の治療法です。その期間を過ぎると、その年は服用を開始することはできません。
日本では、スギアレルギーとダニアレルギーが保険適用の薬が出ていますよ(海外ではイネやブタクサもあります)
舌下免疫療法の気になるQ&Aは、コチラをご覧ください。